1.はじめに
韓国に本社を置くマーキンスのアルカスイス互換Lプレートを購入しました。
メーカー発表の説明はどこの販売サイトにもあるのですが、ユーザーの投稿があまり見つかりません。カメラを購入しプレートも刷新する必要があったので、どんなものだったのか記録に残しておこうと思います。カメラはCanon EOS R6 markⅡですが、機種は違ってもプレートのメーカー毎の設計思想や工作精度、剛性、使い勝手などは同じようになると思われるので、参考になるのではないかと思います。
2.購入検討
購入にあたっての条件
a.アルカスイス互換のLプレートであること
雲台がKirkクランプで統一されているので、アルカスイス互換プレート必須です。
b.使用にあたりストレスが少ないこと
重いとか、角が痛いとか、剛性不足でブレるとか使うたびに嫌な思いはしたくない。
C.入手が容易であること
なるべく国内で。価格は、条件bとのバランスになります。
カークのLプレートはEOS5D markⅣで使用実績があり、使用感に不満はありません。軽量で剛性もあり、角のR処理も手に触っても痛くありません。側面ケーブル使用時の逃げも問題ないでしょう。国内ではスタジオJINが輸入代理店をやっていますが、円安の影響か28710円もします。今日現在在庫がないので1ヶ月程待つか、海外通販サイトから並行輸入するかです。アメリカのB&Hからだと配送に2−3週間程度かかりますが、送料を含めても2-3000円程度安くなりそうです。
Really Right StuffのLプレートはEOS7Dで使用実績があり、使用感に不満はありません。112gと軽量で剛性もあり、角のRも手に触っても痛くありません。側面ケーブル使用時の逃げも問題ないでしょう。国内では銀一が輸入代理店をやっていますが、国内通販サイトが見つかりませんでした。メーカー直販で輸入するしかないようです。185ドルなので27635円($1=149円)です。本体価格が一番高価です。
中国メーカーですが積極的な製品展開をしており、安かろう悪かろうではないモノづくりをしていると思います。機種専用形状で8650円なのはとても安価ですが156gもあり、Kirkの約2倍重いです。明らかに素材が違うと思われます。今回はこの重さがネックになり選びませんでした。
韓国メーカーですが、安かろう悪かろうではないモノづくりをしていると思います。ベースプレートは機種専用形状なのですが、汎用品サイドプレートとねじ止めで繋げる仕掛けになっています。素材はKirkと同じものを使っており、LV-180はバリアングル液晶の逃しがなく剛性追求仕様、LC-R5はバリアングル液晶が制限なく自由に動かせる仕様です。ただしLC-R5はカメラの固定方向が90°回転(横を向いてしまう)してしまうので、縦横同光軸での厳密な撮影には不向きです。
3.購入
個人的には安心と信頼のKirk製品が好みですが、カメラに大枚叩いた後なのでできれば安く抑えたい。究極完璧な製品でなくても僕の使用範囲で気にならない程度の完成度であればと考えて、Kirkと高価なRRSを外しました。またLeofotoは重量が重過ぎます。剛性の出にくい素材を肉抜きを抑えてカバーしているのかも? 残るはマーキンスです。自由雲台を触ったことがありますが、モノは良かった覚えがあります。Kirkと1万円しか違わなくなりますが国内量販店に在庫があり即納なので、買ってみることにしました。
4.装着してみてわかったこと
PC-R5は、EOS R5/R6/R6markⅡ専用品です。回り留めがついていて、ボディ底面の穴と嵌合することでプレートの回転を防いでくれています。ネジ穴が横に長くネジ位置をずらすことで、縦位置サイドプレートを付けたままカメラ側面へのアクセスをしやすくしています。しかしそうやって使うと支点(クランプ)から力点(カメラ)が離れるので、作用点(カメラ)への影響が大きい気がします。
LV-180
機種専用でなく汎用です。バリアングルモニタは開くことはできますが、上下へ回転させることができません。EOS5D markⅣであれば気にならなかったですが、せっかくバリアングル液晶の機種を使っているのに勿体無い気がします。いちいち外すのも面倒です。それから幅が狭いために端子類へのアクセスがしづらいです。左右へ調整することができますが、左右両方の端子へ同時アクセスは無理なんじゃないかと思います。レリーズケーブルを挿すとケーブルの頭がクランプからはみ出る為、その部分はクランプできません。クランプ中央からずらして止めることになります。RF24-105mmF4LISUSMの105mm端で20秒間露光してみましたが、風がない静かな場所なら止まりました。中央で噛ませられないのは気持ちが悪いですが、一応使えると判断します。KirkとRRSのプレート画像をよく観察すると、この部分には厚みがあります。これらのLプレートなら逃げられるのかも知れません。
LC-R5
機種専用でなく汎用です。バリアングルモニタが自由に使えるようになることが、一番の特徴です。カメラの端子類へのアクセスは問題ありません。構造上カメラの向きが横構図から90°横を向くので、縦横構図チェンジの手順は自身として確立しておかないといけないと思いました。プレートの穴に指を入れてレンズ交換ボタンを押します。レンズとプレートの間からでは、指が入りません。
R5を使っている方に聞いた話ですが、R5はレリーズケーブルが干渉して使えないとのこと。R5はボディ前面にジャックがあり、純正レリーズはケーブルが横に逃げるようになっている為です。また剛性は劣る感じがするとのこと。これは程度と許容量が個人によって異なるので、なんとも言えません。クランプとカメラ重心が離れるので、他の製品より剛性面で不利なのは事実でしょう。
5.感想
あちらが立てばこちらが立たず。使ってみないとわからない所もありました。バリアングルを使わないのであれば、LV-180は使えるかなと思います。LC-R5は縦横構図で雲台(クランプ)を90°回転させる使い方に慣れるかどうかでしょう。参考になれば幸いです。ぜひ愛用している方のコメントをお待ちしています。